「一応名乗っといてやる。オレは大爆だ」
「私は雷音よ」
私は目の前にいる大爆という少年に名乗る。
大爆の前髪と瞳の色はオレンジから途中で赤に変わっている。龍爆力を使うのね。
顔立ちを見ると、私より少し年下に思えるわね。
「まぁ、まだ子供なんだからあまり無理しないことね」
私は大爆を挑発してみる。
「な……! オレはこれでも16だ!!」
大爆は怒りながら抗議する。
『これでも』ってことは、自分でも見た目が幼いことを自覚してるのね。
……って、16?
「16才? あなた、私と同い年なの?」
私は思わず大爆に訊く。
……なんだか、信じられないわね。
「へ? お前も16なのか? 見えねー……」
大爆は信じられないものを見るような目で私を見る。
「ちょっと、それはどういう意味なの?」
私は少し苛立ちながら訊く。
「んなの、決まってんじゃねーか。年より老けて見えんだよ!」
大爆は馬鹿にした様な口調で答える。
なんか、むかつくわね……。
「……さっさと、始めましょうか」
私は怒りを抑えつつ大刀を構え直す。
「……子供だからって容赦しないわよ」
私はさっきのお返しに大爆を更に挑発する。
「オレはガキじゃねー!! あーもう、行くぜ!! ……はぁっ!!」
――ガキィィンッ!
大爆はいきなり間合いを詰めてきて、2m近くありそうな大剣で私に斬りかかる。
私はそれを大刀で防ぐ。でも……
「……くっ」
重い。2mの大剣を軽々と使っているだけのことはあるわね。
力だけなら私より上かも……。
「……はぁっ!!」
――キィィンッ!
……トンッ
私は何とか剣を弾き返し、後ろに跳んで間合いを取る。
が、大爆は構わず間合いを詰めてきて、
「…っらぁぁっ!!」
更に斬りかかって来るが、私は今度は左に避ける。
「たぁぁっ!!」
――ドンッ!!
「うわぁっ!!」
――バタッ!
大爆の背後に回りこんだ私は、その背中に蹴りを食らわす。
大爆は斬りかかって来た勢いもあって、その場に前のめりに倒れ込む。
私は大爆から一歩離れる。
……バチバチッ!
私は大刀を左手に持ち、右手に龍力を集める。
「雷撃球(らいげききゅう)!!」
龍力で作った雷の弾を大爆に向けて解き放つ。
そして、大爆に着弾する直前……
「爆流撃(ばくりゅうげき)!!」
大爆も龍力を使って爆発を起こす。
――ドゴオォォンッ!!
「きゃっ!!」
「うわっ!!」
――バタッ!!
雷撃球と爆流撃の接触によって引き起こされた爆発で、私も大爆も吹き飛ばされてしまう。
二人とも、しばらくの間、爆発の衝撃で動けなくなる。



  

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