「さぁ、どこからでも来い、土穏」
地香が促す。
「……そのつもりだ」
土穏が怒りを抑えながら答える。
……タンッ!
次の瞬間、土穏は地面を蹴る軽い音を立てながら上に跳ぶ。
そして、棍を思いっきり上に振りかぶり……
「……せいっ!!」
渾身の力をこめて振り下ろす、が……
――キィンッ!!
「なっ!?」
「ふんっ……」
地香は身を右に移動させながら、左手の両刃槍で軽く受け流してしまう。
それはちょうど、地香が土穏の背後に回る形になる。
これを狙っていたかのように、地香は右手の両刃槍で土穏を突き刺すが、
――キイィィンッ!!
土穏は素早く右回りに振り返り、右手に持った棍で弾き返す。
「はあっ!!」
そして、その勢いを利用して、今度は土穏が棍で地香を突く。
……タンッ
地香は後ろに跳んで、土穏の攻撃を避ける。
更に攻撃を加えようと土穏が間合いを詰めようをした時……
「お止めください!!」
どこからともなく制止の声が響く。



  

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